セットアップオフィスとは?メリット・デメリットや賃貸オフィスとの違いを解説!

オフィス移転や新規開設を任された担当者にとって、初期費用の算出や内装工事の手配は非常に頭の痛い課題ではないでしょうか。「できるだけコストを抑えたい」「すぐに事業を開始できる環境が欲しい」という悩みは、多くの企業が抱えています。
この記事では、内装や家具が予め備え付けられている「セットアップオフィス」について解説します。読み終わる頃には、セットアップオフィスの特徴やメリット・デメリットを深く理解し、自社にとって最適な選択肢かどうかを判断できるようになります。
セットアップオフィスとは?
セットアップオフィスとは、オーナー側があらかじめ内装工事を行い、デスクやチェアなどの什器も設置した状態で貸し出されるオフィスのことです。一般的な賃貸オフィスでは、入居テナントが自費で内装工事や家具の手配を行う必要がありますが、セットアップオフィスではその工程が不要となります。そのため、入居したその日からすぐに業務を開始できる「即戦力型」のオフィス形態として近年注目を集めています。
| 特徴 | 内容 |
| 内装の状態 | 天井、壁、床の内装に加え、会議室や執務スペースが構築済み |
| 設備の有無 | デスク、チェア、キャビネットなどのオフィス家具が設置済み |
| 契約形態 | 一般的な賃貸借契約が多いが、契約期間は柔軟な場合もある |
| 主な対象 | スタートアップ、ベンチャー、プロジェクト単位の短期利用など |
内装や家具が予め設置されたオフィス
最大の特徴は、エントランスや会議室、執務エリアなどの内装デザインが既に完成しており、必要なオフィス家具もセットされている点です。デザイン性の高い内装が施されているケースが多く、企業は内装デザインを一から考える必要がありません。おしゃれで機能的なオフィス環境を手軽に手に入れられるため、ブランディングを重視する企業にも選ばれています。
スピーディーな入居が可能
通常のオフィス移転では、物件決定から内装設計、工事、引っ越しまでに数ヶ月を要することも珍しくありません。しかし、セットアップオフィスであれば、内装工事の期間が不要なため、契約から入居までのリードタイムを大幅に短縮できます。急な増員や新規事業の立ち上げなど、スピード感を重視するビジネスシーンにおいて大きな強みとなります。
初期費用と移転の手間を削減できる
内装工事費や家具購入費は、オフィス移転における初期費用の大きな割合を占めます。これらが予め用意されているセットアップオフィスを選ぶことで、イニシャルコストを劇的に圧縮することが可能です。また、内装業者との打ち合わせや家具選定といった膨大な業務負担も削減できるため、担当者は本業に集中しながらスムーズな移転を実現できます。
セットアップオフィスのメリットは何か?

多くの企業がセットアップオフィスを選ぶ理由は、コストと時間の両面で合理的なメリットがあるからです。特に成長スピードの速い企業や、資金を事業投資に回したい企業にとっては非常に魅力的な選択肢となります。ここでは、具体的な5つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

| メリット | 具体的な効果 |
| コスト削減 | 内装工事費、原状回復費、家具購入費の圧縮 |
| 時間短縮 | 入居までの期間短縮、退去時の工事期間短縮 |
| 業務効率化 | 移転プロジェクトにかかる工数の削減 |
| 環境向上 | プロが設計した高品質なデザイン空間の利用 |
| 採用強化 | 魅力的なオフィスによる企業イメージの向上 |
初期費用を大幅に抑えられる
一般的な賃貸オフィスで内装工事を行う場合、坪単価で数十万円の費用がかかることもあります。セットアップオフィスではこの工事費用が賃料に含まれているか、あるいはオーナー負担となっているため、入居時のキャッシュアウトを最小限に抑えられます。敷金や保証金などの預託金も抑えられるケースがあり、浮いた資金を人材採用やマーケティングなどの事業成長に投資できるのは経営上の大きな利点です。
短期間でスムーズに入居できる
物件契約から入居までの期間は、通常であれば内装設計や工事調整で3ヶ月から半年程度かかります。一方、セットアップオフィスなら最短で数週間から1ヶ月程度での入居も可能です。ビジネスの機会損失を防ぎ、必要なタイミングですぐに拠点を構えられる俊敏性は、変化の激しい現代のビジネス環境において強力な武器となります。
移転に関わる業務負担を軽減する
オフィス移転担当者の業務は多岐にわたり、通常業務と並行して行うには大きな負担となります。内装デザインの決定、工事業者の選定、家具のカタログチェックなど、膨大なタスクが発生するからです。セットアップオフィスを選択すれば、これらの工程の大部分を省略できるため、担当者のリソースを圧迫することなく、スムーズな移転プロジェクトの進行が可能になります。
デザイン性の高いオフィスで働ける
多くのセットアップオフィスは、プロのデザイナーによって設計されており、トレンドを取り入れた洗練された空間になっています。自社で一からデザインを依頼すると高額になるようなクオリティのオフィスを、手軽に利用できるのは大きな魅力でしょう。来客時の印象も良く、企業の信頼感やブランドイメージの向上にも寄与します。
従業員の満足度向上に繋がる
働きやすいレイアウトや快適な家具が揃っていることは、従業員のモチベーションや生産性に直結します。リフレッシュスペースや集中ブースなど、機能的な空間があらかじめ用意されている物件も多くあります。快適なオフィス環境を提供することで、従業員のエンゲージメントが高まり、離職防止や優秀な人材の確保にも良い影響を与えることが期待できます。
セットアップオフィスのデメリットは何か?

メリットの多いセットアップオフィスですが、検討する際にはデメリットや注意点もしっかりと理解しておく必要があります。自社の状況によっては、通常の賃貸オフィスの方が適している場合もあるからです。以下の表で主な懸念点を整理しますので、自社の優先順位と照らし合わせてみてください。
| デメリット | 注意点 |
| コスト面 | 月額賃料が相場より割高になる可能性がある |
| 自由度 | レイアウトや内装の変更が制限される |
| 独自性 | 他社との差別化が難しく、企業カラーを出しにくい |
| 市場性 | 希望エリアや条件に合う物件が見つかりにくい |
賃料が相場より割高になる傾向
内装工事費や家具の費用がオーナー持ちである分、それらが月々の賃料に上乗せされていることが一般的です。そのため、周辺の一般的な賃貸オフィスと比較すると、坪単価が高く設定されている傾向があります。初期費用は抑えられますが、長期間入居し続けるとトータルコストが逆転する可能性もあるため、入居予定期間を含めたシミュレーションが重要です。
レイアウトの自由度が低い
すでに内装が完成しているため、自社の業務フローに合わせて壁を動かしたり、部屋を増やしたりといった大幅なレイアウト変更は原則としてできません。また、什器も備え付けのものを使用するのが基本となるため、好みの家具を使いたいという要望が通らないこともあります。今のレイアウトに自社の働き方を合わせる必要がある点は、自由度を求める企業には窮屈に感じられるかもしれません。
自社の独自性を出しにくい
デザイナーズオフィスとはいえ、あくまで汎用性の高いデザインで作られているため、企業のコーポレートカラーや独自の世界観を全面的に表現するのは難しい場合があります。エントランスにロゴを設置する程度は可能でも、壁紙や床材を全面的に変えるといったカスタマイズは難しいでしょう。自社ブランディングを空間全体で表現したい場合には不向きと言えます。
物件数が限られており選択肢が少ない
セットアップオフィスは近年増加傾向にありますが、通常の賃貸オフィスに比べると市場に出回っている物件数はまだ限定的です。希望するエリアや広さ、賃料条件に合致する物件がタイミングよく見つかるとは限りません。選択肢が少ない中で妥協して選ぶと、後々使い勝手の悪さに悩むことになるため、早めの情報収集が欠かせません。
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他のオフィス形態との違いは?

「内装付きオフィス」にはセットアップオフィス以外にもいくつかの種類があり、それぞれ契約形態やサービス内容が異なります。用語が混同されやすいですが、違いを明確に理解することで、自社に最適な形態を選べるようになります。主なオフィス形態との比較を以下の表にまとめました。
| 形態 | 内装・家具 | 初期費用 | 契約期間 | 独自性 |
| セットアップ | あり(新品/リノベ) | 低 | 普通借家/定期借家 | 中 |
| 一般賃貸 | なし | 高 | 普通借家(2年〜) | 高 |
| 居抜き | あり(前テナント残置) | 低〜中 | 普通借家/定期借家 | 低 |
| サービス | あり(共用部充実) | 低 | 短期可能(1ヶ月〜) | 低 |
| レンタル | あり(個室/ブース) | 低 | 短期可能(時間/日〜) | 極低 |
賃貸オフィスとの違い
最も一般的な「賃貸オフィス」は、内装が何もないスケルトン状態で引き渡されるのが基本です。設計から工事まで自社で行うため自由度は最大ですが、多額の初期費用と数ヶ月の準備期間が必要です。一方、セットアップオフィスは自由度と引き換えに、低コスト・短納期を実現しています。長期的な利用で独自性を追求するなら賃貸、スピードと初期コスト重視ならセットアップという使い分けになります。
居抜きオフィスとの違い
「居抜きオフィス」は、前のテナントが使っていた内装や什器をそのまま引き継ぐ形態です。セットアップオフィスとの大きな違いは、内装が「新品またはリノベーション済み」か「中古」かという点です。居抜きは解体費用や工事費用をさらに抑えられますが、前のテナントの使用感が残っていたり、レイアウトが古かったりすることがあります。セットアップオフィスはオーナー側が綺麗に整備してから貸し出すため、清潔感やデザイン性は高くなる傾向があります。
サービスオフィスとの違い
「サービスオフィス」は、個室の執務スペースに加え、受付対応や秘書サービス、高度なセキュリティ、共有の豪華なラウンジなどが付帯した高機能オフィスです。セットアップオフィスよりもさらにサービス面が充実しており、契約期間も柔軟ですが、その分賃料や共益費はかなり高額になります。少人数での利用や、一等地でのアドレス確保を重視する場合に適しています。
レンタルオフィスとの違い
「レンタルオフィス」は、サービスオフィスと似ていますが、より簡易的な個室やブースを借りる形態を指すことが多いです。机と椅子だけの最低限の設備で、安価に利用できるのが特徴です。セットアップオフィスはあくまで「自社専用の区画」を借りる賃貸借契約に近い感覚ですが、レンタルオフィスは施設利用契約に近く、他社との距離感も近くなります。企業のプライバシーや独立性を重視するならセットアップオフィスの方が適しています。
セットアップオフィスはどのような企業に向いているか?

ここまで見てきた特徴を踏まえると、セットアップオフィスは全ての企業に万能なわけではありません。特定のフェーズや目的を持った企業にとって、最強のソリューションとなり得ます。具体的にどのような企業が導入を検討すべきか、その適性を整理しました。
| 企業タイプ | 導入推奨理由 |
| スタートアップ | 資金調達直後で、内装より人材に投資したい |
| 急成長企業 | 人員増加が激しく、1〜2年で再移転の可能性がある |
| 地方企業の支店 | 本社以外の拠点開設で、手間をかけずに進出したい |
| プロジェクト利用 | 特定の期間だけチームを集めて開発を行いたい |
移転の初期費用を抑えたい企業
創業間もない時期や、新規事業への投資を優先したい時期には、キャッシュフローの確保が最優先事項です。敷金や内装工事費といった「消えていくお金」を極力減らし、事業の運転資金として手元に残しておきたい企業にとって、セットアップオフィスの経済合理性は非常に高いと言えます。
スピード感を重視するスタートアップ
「来月から5人増える」「来期には今のオフィスのキャパシティを超える」といった急激な成長フェーズにある企業では、半年かけてオフィスを作る余裕はありません。意思決定から入居までをスピーディーに行えるセットアップオフィスは、成長のボトルネックを作らず、ビジネスの加速を止めないための最適なインフラとなります。
【関連記事】スタートアップに最適なサービスオフィスの選び方とは? – Compass Offices
短期間での移転を予定している企業
2〜3年後にはさらに規模が拡大していると予測される場合、長期利用を前提とした高額な内装投資はリスクになります。セットアップオフィスであれば、原状回復の負担も少なく、身軽に移転を繰り返すことが可能です。「今のサイズに合うオフィス」をフレキシブルに使い続けたい企業に適しています。
セットアップオフィスを選ぶ際のポイントは?
実際にセットアップオフィスを探す際には、内装のデザイン性だけで決めてしまわないよう注意が必要です。実際の業務フローや将来の計画と照らし合わせ、実用的な観点から物件をチェックすることが失敗しないコツです。
| チェック項目 | 確認すべき視点 |
| 広さと席数 | 現在の人数だけでなく、将来の増員分も収容できるか |
| 機能性 | 会議室の数、防音性、ネット環境、空調の個別制御 |
| 立地 | 従業員の通勤しやすさ、取引先へのアクセス、周辺環境 |
| セキュリティ | 入退室管理システム、情報の機密性が保てる区画か |
従業員数に適した広さか確認する
「おしゃれだから」といって狭すぎる物件を選んでしまうと、業務効率が著しく低下します。デスクの数だけでなく、通路の幅や収納スペース、リフレッシュできる余白があるかを確認しましょう。また、契約期間中に人員が増加した場合に対応できるか、少し余裕を持ったキャパシティを見積もっておくことが重要です。
業務に必要な機能性が備わっているか
会議室の数は足りているか、オンライン商談用の個室ブースはあるかなど、自社の働き方に必要な設備が整っているかをチェックします。また、電源の数や位置、Wi-Fiの強度といったインフラ面も、入居後のトラブルになりやすいポイントです。内覧時には実際にPCを持ち込んで確認するなど、細部までシミュレーションを行いましょう。
自社の戦略に合った立地か
オフィスの場所は、採用活動や営業活動に直結する戦略的な要素です。ターゲットとする人材が集まりやすいエリアか、主要なクライアントへの移動がスムーズかなどを考慮します。セットアップオフィスは好立地な物件も多いですが、駅から遠い場合もあります。従業員の通勤ストレス軽減や、ランチ環境などの周辺利便性も忘れずに確認してください。
十分なセキュリティレベルが確保できるか
内装済みのオフィスでは、セキュリティ設備も既存のものを使用することになります。エントランスのオートロック、執務室への入退室管理、監視カメラの有無など、自社のセキュリティポリシーを満たしているかを確認が必要です。特にPマークやISMSなどの認証を取得している企業は、物理的なセキュリティ要件が満たせるかを慎重に判断しなければなりません。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- セットアップオフィスは初期費用と手間を削減し、スピード入居を実現する合理的な選択肢である。
- デザイン性の高さや従業員満足度の向上が期待できる一方、賃料の割高感やレイアウトの制限には注意が必要。
- 自社の成長フェーズや資金状況に合わせて、一般賃貸や他の形態と比較検討することが成功の鍵。
自社の現状と将来のビジョンを照らし合わせ、セットアップオフィスが成長を加速させる最適な舞台となるか、ぜひ検討を進めてみてください。
