ワークスペースのヒント
27/02/2026

貸しオフィスの選び方は?種類や費用相場、契約の流れを解説!

清潔感のあるモダンなレンタルオフィスの内装。デスク、オフィスチェア、PCが完備された仕事環境

事業拡大や新規プロジェクトの立ち上げに伴い、オフィスの移転や新設を検討し始めたものの、どの形態が自社に最適か迷っていませんか?従来の賃貸オフィスは契約手続きが複雑で初期費用もかさむため、より柔軟でコストパフォーマンスの高い選択肢を探している方も多いはずです。 

この記事では、近年利用者が増えている「貸しオフィス」について、その定義や種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。さらに、失敗しない選び方や契約の流れまで網羅していますので、読み終わる頃には自社にぴったりのオフィス形態を判断できるようになるでしょう。 

貸しオフィスとはどのようなサービスか?

貸しオフィスとは、一般的にデスクや椅子、通信インフラなどが予め備え付けられており、契約後すぐに業務を開始できるオフィスサービスの総称です。従来の「賃貸オフィス」が何もない空間を借りて自社で内装工事や設備手配を行うのに対し、貸しオフィスは「働くための機能」がセットで提供される点が大きな特徴といえます。 

ただし、一言で貸しオフィスといっても、提供される空間のタイプやサービスの充実度によっていくつかの種類に分かれます。まずはそれぞれの違いを理解し、自社のニーズに近いものがどれかを整理しておきましょう。 

種類 特徴 向いている企業 
レンタルオフィス 個室が中心で、必要最低限の設備が整っている。 プライバシーを重視する少人数企業 
サービスオフィス レンタルオフィスに加え、受付や秘書代行などの付帯サービスが充実。 対外的な信用やサポートを重視する企業 
コワーキングスペース オープンスペースを共有して利用する。交流が生まれやすい。 コスト重視のフリーランスやスタートアップ 
シェアオフィス 複数の企業や個人が場所を共有する形式の総称。個室がない場合も多い。 柔軟な働き方を求める個人や企業 

事業に必要な設備が揃うオフィス

貸しオフィスの最大の特徴は、インターネット回線、デスク、チェア、複合機といったビジネスに必要なインフラが最初から完備されていることです。通常の賃貸契約では、物件を借りた後に内装工事を行い、家具や機器を購入して搬入するという長い準備期間が必要です。しかし、貸しオフィスならばパソコン一台を持ち込むだけで、その日から通常業務をスタートできます。スタートアップ企業や急なプロジェクト発足時など、スピード感を重視する場合に非常に適した環境だといえるでしょう。 

レンタルオフィスとの違い

「貸しオフィス」という言葉の中で最も代表的な形態がレンタルオフィスです。レンタルオフィスは主に専有できる「個室」が提供されるタイプを指します。完全に壁で仕切られた部屋を利用できるため、情報セキュリティやプライバシーの確保が容易です。一般的な賃貸オフィスを小さく区分けして貸し出しているイメージに近く、自社だけの空間を確保しつつ、共用部の会議室や給湯室などは他の入居者とシェアすることでコストを抑える仕組みになっています。 

サービスオフィスとの違い

サービスオフィスは、レンタルオフィスの機能に加えて、有人受付や秘書サービスなどの人的サポートが付加されたハイグレードな施設を指します。エントランスにはプロの受付スタッフが常駐し、来客対応や電話の取り次ぎ、郵便物の管理などを行ってくれます。企業のブランドイメージを高めたい場合や、総務スタッフを雇用するコストを削減したい場合に有効な選択肢です。ハード面だけでなくソフト面のサービスも料金に含まれている点が、通常のレンタルオフィスとの大きな違いです。 

コワーキングスペースとの違い

コワーキングスペースは、個室ではなく広いオープンスペースを複数の利用者と共有するスタイルです。壁やパーティションによる区切りが少ないため、開放感があり、他の利用者とのコミュニケーションが生まれやすいという特徴があります。特定の席が決まっていないフリーアドレス制を採用している施設が多く、その日の気分に合わせて働く場所を変えることができます。個室がない分、利用料金は最も安価に設定されていることが一般的です。 

貸しオフィスを利用するメリットは?

自社で物件を契約する賃貸オフィスと比較して、貸しオフィスにはどのような利点があるのでしょうか。特に経営資源が限られているスタートアップや中小企業にとって、コストや手間の面で大きなメリットがあります。ここでは主な4つのメリットについて具体的に見ていきましょう。 

メリット 具体的な内容 
コスト削減 敷金・礼金が安く、内装工事費も不要 
スピード 契約から数日で入居・業務開始が可能 
信用力 都心の一等地の住所を登記に利用できる 
利便性 会議室やラウンジなど共用設備が充実 

初期費用を大幅に抑えられる

通常の賃貸オフィスを借りる場合、敷金(保証金)として賃料の6〜12ヶ月分程度が必要になることが一般的です。さらに仲介手数料、前家賃、内装工事費、オフィス家具の購入費などが加わり、数百万円単位の初期投資が必要になります。 

一方、貸しオフィスの場合、保証金は賃料の1〜3ヶ月分程度で済むケースが多く、内装工事や家具購入も不要です。これにより、初期費用を数分の一から十分の一程度まで圧縮できるため、浮いた資金を事業成長のための投資に回すことができます。 

短期間での契約が可能

一般的なオフィス賃貸借契約は2年契約が基本で、解約時には数ヶ月前までの予告が必要など、契約期間の縛りが厳しい傾向にあります。これに対し、貸しオフィスは1ヶ月単位からの短期契約が可能な物件が多く存在します。「まずは半年間だけプロジェクトルームとして使いたい」「人員が増えるまでのつなぎとして利用したい」といった短期的なニーズにも柔軟に対応できます。事業の先行きが不透明な時期でも、リスクを最小限に抑えてオフィスを確保できるのは大きな安心材料です。 

一等地の住所を利用できる

ビジネスを行う上で、オフィスの所在地は企業の信用力に直結する重要な要素です。貸しオフィスは、大手町や丸の内、新宿、渋谷といった都心のビジネス一等地に多くの拠点を構えています。自前で借りるにはハードルが高いエリアであっても、貸しオフィスを利用することでその住所を自社の所在地として名刺やウェブサイトに記載し、法人登記まで行うことができます。一等地の住所を持つことは、取引先や金融機関からの信頼獲得に有利に働くでしょう。 

Compass Officesでは、東京・大阪を中心に主要ビジネスエリアの拠点をご用意しています。ご希望のエリアは、拠点一覧よりご確認ください。 

インフラや家具が完備されている

オフィスを開設する際には、ネット回線の開通工事や電話回線の手配、複合機のリース契約など、膨大な事務作業が発生します。貸しオフィスでは、高速インターネットやWi-Fi、高品質なデスク・チェア、キャビネットなどが最初から設置されています。 

また、会議室や商談スペース、カフェエリアなどの共用設備も充実しており、予約制で自由に利用できるケースがほとんどです。自社単独では用意するのが難しいグレードの設備を利用できる点も、従業員の満足度向上につながります。 

貸しオフィスのデメリットと注意点は?

多くのメリットがある一方で、貸しオフィスには特有のデメリットや注意点も存在します。契約後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、事前に懸念点を把握し、自社の許容範囲内かどうかを検討することが大切です。 

内装のカスタマイズが難しい

貸しオフィスは基本的に設備が整った状態で提供されるため、自社の好みに合わせて内装を変更したり、レイアウトを大きく変えたりすることは困難です。壁紙の色を変える、造作家具を設置するといった自由なカスタマイズは原則としてできないと考えたほうがよいでしょう。企業のブランディングとしてオフィスデザインに強いこだわりがある場合や、特殊な機材を設置する必要がある業種の場合は、自由度の高い一般の賃貸オフィスの方が適している可能性があります。 

他の利用者への配慮が必要

会議室やラウンジ、給湯室、トイレなどの共用部分は、他の入居企業と共同で利用することになります。そのため、会議室の予約が埋まっていて使いたい時に使えない、ラウンジでの話し声が気になる、といったトラブルが起きる可能性があります。 

また、壁が薄いレンタルオフィスの場合、隣室の電話の声や物音が漏れ聞こえてくることもあります。機密性の高い情報を扱う会議が多い場合や、静寂な環境で集中したい業務が中心の場合は、防音性能について事前の内覧で入念に確認する必要があります。 

長期利用では割高になる場合も

初期費用が安いことが魅力の貸しオフィスですが、月額料金には賃料だけでなく、光熱費や通信費、共用部の維持管理費、サービス料などが含まれています。そのため、単純な坪単価で比較すると、一般の賃貸オフィスよりも割高になる傾向があります。従業員数が増えて広いスペースが必要になった場合や、数年単位で長く同じ場所を利用し続ける場合は、トータルのコストが一般賃貸を上回る可能性があります。事業計画に合わせて、どのタイミングで移転を検討すべきかシミュレーションしておくことが重要です。 

個室の広さに制限がある

多くの貸しオフィスは、1名から数名、多くても10名前後で利用することを想定して区画されています。数十名以上の規模で利用できる大型の個室を用意している施設は限られています。 

そのため、事業が急成長して人員が大幅に増えた場合、同じ施設内での増床が難しく、別のオフィスへ移転せざるを得なくなることがあります。将来的な人員計画を見据え、拡張性がある施設かどうか、あるいは近隣に別の拠点を持てるかなどを確認しておく必要があります。 

貸しオフィスの費用相場はどれくらいか?

開放的なコワーキングスペース。利用者同士が交流できる共有ラウンジ

貸しオフィスの利用料金は、立地エリア、個室の広さ、設備のグレード、提供されるサービス内容によって大きく変動します。ここでは、一般的な相場感を把握するために、主要な費用の内訳と目安について解説します。

貸しオフィスの費用相場についての解説図。初期費用は数万円からが目安、月額料金はエリアと広さで決まること、サービス内容の確認が重要であることを説明している
項目 費用の目安 備考 
初期費用 月額賃料の1〜3ヶ月分 入会金、保証金、事務手数料など 
月額賃料(1名用) 3万円〜10万円 エリアやグレードにより大きく異なる 
月額賃料(3〜5名用) 10万円〜30万円 完全個室か半個室かでも変動する 
共益費・管理費 1万円〜3万円 水道光熱費やネット代が含まれることが多い 

初期費用は数万円からが目安

貸しオフィスの初期費用には、入会金、保証金(デポジット)、事務手数料、初月の賃料などが含まれます。一般の賃貸オフィスでは数百万円かかることも珍しくありませんが、貸しオフィスでは数万円から数十万円程度に収まることが一般的です。 

特にコワーキングスペースやシェアオフィスの場合、入会金と初月利用料のみで数万円からスタートできる施設も増えています。キャンペーンなどで入会金が無料になるケースもあるため、最新の情報をチェックすることをおすすめします。 

月額料金はエリアと広さで決まる

月額利用料は、立地と専有スペースの広さに比例します。例えば、都心のハイグレードビル内にあるサービスオフィスの場合、1名用の個室でも月額10万円を超えることがあります。一方で、少しエリアを外した場所や、築年数が経過したビルのレンタルオフィスであれば、1名用で3万円〜5万円程度で借りられることもあります。 

また、窓がある部屋や広いデスクがある部屋は料金が高めに設定される傾向があります。予算の上限を決めた上で、どの条件を優先するかバランスを考えることが大切です。 

料金に含まれるサービス内容の確認

月額料金の額面だけでなく、「何が含まれているか」を確認することが非常に重要です。例えば、会議室の利用料が無料の施設もあれば、利用時間に応じて従量課金される施設もあります。 

また、インターネット代、光熱費、ドリンクサービス、複合機の印刷代などが月額料金に含まれているか、別途請求されるかも施設によって異なります。一見安く見えても、オプション料金を積み上げると高額になってしまうケースもあるため、見積もりを取る際はトータルのランニングコストで比較しましょう。

自社に合う貸しオフィスの選び方は? 

貸しオフィスの費用相場に関する図解。初期費用は数万円からが目安、月額料金はエリアと広さで決定、料金に含まれるサービス内容の確認が重要という3つのポイント

数ある貸しオフィスの中から自社に最適な一軒を見つけるには、漠然と探すのではなく、明確な基準を持って比較検討することが成功の鍵です。ここでは、物件選びで失敗しないために押さえておくべき5つのポイントを紹介します。 

事業フェーズに合った規模を選ぶ

現在の従業員数だけでなく、半年後や1年後の人員計画を考慮して広さを選びましょう。スタートアップやベンチャー企業の場合、想定よりも早く人員が増える可能性があります。ギリギリの広さで契約してしまうと、すぐに手狭になり再移転が必要になってしまいます。逆に、広すぎるオフィスは固定費の無駄遣いです。施設内で広い部屋への移動が可能か、あるいは契約期間中にサイズの変更が柔軟にできるかを確認しておくと安心です。 

必要な設備やサービスを明確にする

自社の業務内容に照らし合わせて、絶対に譲れない設備やサービスを洗い出します。例えば、Web会議や電話商談が多い企業であれば、防音性の高い個室やフォンブースの有無は必須条件です。来客が多い場合は、エントランスの雰囲気や会議室の数、受付対応の質が重要になります。 

一方で、事務作業が中心で来客がほとんどない場合は、豪華なエントランスやコンシェルジュサービスは不要かもしれません。必要な機能に優先順位をつけることで、無駄なコストを省くことができます。 

立地とアクセスの良さを考慮する 

オフィスの場所は、従業員の通勤のしやすさはもちろん、営業活動の効率や採用活動にも影響を与えます。主要な取引先へのアクセスが良いか、最寄り駅からの徒歩分数はどれくらいか、複数の路線が利用できるかなどをチェックしましょう。 

また、駅からの道のりや周辺環境も重要です。夜遅くなる可能性がある場合は、治安の良さや周辺にコンビニ・飲食店があるかも確認ポイントです。実際に足を運んで、街の雰囲気や利便性を体感してみることをおすすめします。 

セキュリティの高さを確認する

顧客情報や機密情報を扱う企業にとって、オフィスのセキュリティ対策は極めて重要です。エントランスのオートロックはもちろん、各個室の施錠方法(物理鍵か、スマートロックか)、防犯カメラの設置状況などを確認しましょう。 

また、情報セキュリティの観点から、Wi-Fiの暗号化方式や、専用のVLAN設定が可能かどうかもチェックすべき項目です。PマークやISMSなどの認証取得を目指している場合は、施設のセキュリティレベルが審査基準を満たしているかどうかも確認が必要です。 

Web上の情報だけでは判断しづらい点もあるため、候補が決まったら内覧で実際の環境を確認することをおすすめします。利用イメージを具体化でき、検討がスムーズに進みます。内覧をご希望の方は、以下よりご予約ください。 

契約期間の柔軟性を検討する 

ビジネス環境の変化が激しい現代において、契約期間の縛りはリスクになり得ます。万が一事業が計画通りに進まなかった場合や、逆に急拡大した場合に備えて、解約予告期間や違約金の条件を確認しておきましょう。多くの貸しオフィスは1ヶ月前予告で解約できるケースが多いですが、中には半年契約や1年契約が必須の施設もあります。 

また、契約更新時に更新料がかかるかどうかも、ランニングコストに関わる重要な確認事項です。できるだけ柔軟に契約変更ができる施設を選ぶのが賢明です。 

貸しオフィスの契約から入居までの流れ

デスクに置かれた白い電卓とクリップボード。貸しオフィスの初期費用や月額料金、ランニングコストをシミュレーションしているイメージ。

気に入った物件が見つかったら、契約手続きへと進みます。貸しオフィスは一般の賃貸オフィスよりも手続きが簡素化されていますが、それでも審査や書類提出は必要です。スムーズに入居するために、一般的な流れを把握しておきましょう。 

貸しオフィスの契約から入居までの5ステップ。01オフィスの検索と問い合わせ、02内覧と見積もりの取得、03申し込みと審査、04契約締結と入金、05入居開始の流れ。

手順1:オフィスの検索と問い合わせ

まずはインターネット上のポータルサイトや各運営会社の公式サイトで、希望条件に合うオフィスを検索します。立地、予算、広さなどの条件を入力して候補を絞り込みましょう。気になる物件が見つかったら、ウェブフォームや電話で問い合わせを行い、空室状況を確認します。この時点で、内覧の希望日時を伝えておくとスムーズです。 

手順2:内覧と見積もりの取得 

実際に現地を訪問し、内覧を行います。写真だけではわからない広さの感覚、騒音レベル、共用部の清潔さ、スタッフの対応などを自分の目で確かめます。複数の物件を同日に回って比較するのも効率的です。内覧後、気に入った物件があれば正式な見積もりを依頼します。初期費用や毎月のランニングコスト、オプション料金などが詳細に記載されているか確認しましょう。 

内覧をご希望の方は、以下よりご予約ください。 

手順3:申し込みと審査

契約の意思が固まったら、入居申込書を提出します。この際、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、印鑑証明書、代表者の身分証明書などの必要書類を提出します。運営会社による入居審査が行われ、事業内容や反社チェック、支払い能力などが確認されます。審査期間は早ければ数日、長くても1週間程度が一般的です。 

手順4:契約締結と入金

無事に審査を通過したら、契約締結へと進みます。契約書の内容をよく読み、利用規約や解約条件、禁止事項などを再確認して署名・捺印を行います。契約締結後、請求書に従って初期費用(入会金、保証金、初月賃料など)を指定の口座に振り込みます。入金確認が取れ次第、契約完了となります。

手順5:入居開始

入金確認後、利用開始日に鍵やセキュリティカードの引き渡しを受けます。施設の利用ルールや機器の操作方法などのオリエンテーションを受ければ、その日からオフィスとしての利用が可能になります。パソコンや書類を持ち込み、すぐに業務をスタートさせましょう。

まとめ

この記事の要点をまとめます。 

  • 貸しオフィスは初期費用を抑え、即入居可能な利便性の高いオフィス形態である。 
  • レンタルオフィス、サービスオフィスなど種類があり、事業フェーズや目的に応じて選ぶ必要がある。 
  • 契約期間の柔軟性や立地の良さはメリットだが、カスタマイズ性の低さには注意が必要である。 

自社の現状と将来の展望を照らし合わせ、最適な一室を見つけることで、ビジネスのさらなる飛躍を目指しましょう。 

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