コロナ禍をきっかけとした世界的な社会の変化に伴い、欧米や日本では、働き方の多様性を考える重要性が高まっています。ハイブリッドワークやアジャイルワーキング、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング) といった柔軟な働き方の様式とともに、第三の場所(サードプレイス)に関する話題が再燃しています。
この記事では「第三の場所(サードプレイス)」の定義、サードプレイスの利点や日本企業に合う第三の居場所についてお伝えします。
サードプレイスの起源・定義とは
米国の社会学者レイ・オルデンバーグが 1989 年に発売された著書『The Great Good Place』のなかで、サードプレイスを提唱したのが起源とされます。
サードプレイスの定義は、自宅:第一の場所、職場:第二の場所以外の交流ができる居心地の良い場所とされます。
レイ・オルデンバーグの著書は日本語版『サードプレイス―コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』が発売され、家庭や職場以外を指す場所「第三の場所(サードプレイス)」として日本でも浸透してきました。
サードプレイスの特徴と具体例
サードプレイスの例としては、フランスで多いカフェ、イギリスのコーヒーハウスやパブなど、また客同士が雑談を繰り広げるヘアサロンやバーなどが挙げられています。
その特徴は、高級な場所ではなく気軽に誰でも利用ができ、会話が楽しめて、常連だけでなく新参者も自由に利用できる優しい場所とされています。
サードプレイスの需要が高まる理由
コロナ禍にテレワークが進み、従来の自宅と会社の往復のみになりがちだったライフスタイルから大きな変化を遂げました。在宅勤務は多くのメリットがあると同時に、生活と仕事の切り替えが難しい、コミュニケーション不足を感じるなど問題が浮き彫りになってきました。
外部オフィスの活用でサードプレイスを設けることにより、効率的に働けると同時に、企業側にも様々な利点があると考えられるようになっています。
元々、サードプレイスの重要な恩恵として、都市の中で住民同士を団結させることだと言われていました。自宅でも職場でもない居心地の良い場所で、人々の交流により集団が結束できると言うサードプレイスの考え方は、働き方の多様性やテレワークが浸透してきた今、改めて注目が高まっています。
サードプレイスのメリット TOP 3【従業員側・企業側】
会社が積極的に従業員用のフレキシブルオフィスをサードプレイスとして設けることで得られる両者のメリットを確認してみましょう。
働く人にとってのサードプレイスのメリットは何でしょうか?
- 在宅勤務よりも仕事に集中できる
- 息抜きや気晴らしがしやすい
- 人とコミュニケーションがとれる
家族と同居をしていると、業務に集中できる仕事環境を整えるのは難しい人も多いでしょう。リモートワークでの問題、孤独感や孤立感を感じる、運動不足で心身に支障をきたすなども、自宅でも会社でもない場所を利用することで解消できます。
また、自分の部署以外の人と出会う機会や、異業種の人と話すチャンスもあるのがサードプレイスの利点でもあります。革新的なアイデアを生み出すきっかけとなるかもしれません。
では、会社側がサードプレイスを従業員に提供することによるメリットとは?
- 従業員の生産性が向上する
- 優秀な人材の獲得・離職を防げる
- 従業員の主体性が育まれる
自宅勤務が難しい従業員に立地の良いサードプレイスを提供することで、生産性の向上などが期待できると同時に、会社のオフィスを縮小したり改変することもできます。また、コロナ禍を経たニューノーマルの働き方では、ハイブリッドワークが主流とされ、自然災害や感染症など、緊急時のリスク分散にも役立ちます。
働き方の多様性を考えている企業は、その柔軟な姿勢が働く人にとって魅力的にうつります。職場におけるサードプレイスの利点については、「成功する職場コミュニティを作る方法」もぜひご覧ください。
まとめ
外部オフィスの活用により、働き方の多様性を実現するサードプレイスの利点について見てきました。
企業にとっては、生産性の向上、優秀な人材の採用などの利点があり、従業員にとっては集中できる環境で仕事ができ、仲間や外部の人とのコミュニケーションから良いアイデアを得ることも期待できます。在宅勤務とオフィスの両方を活用するニューノーマルの働き方であるハイブリッドワークにサードプレイスは重要な場所となるでしょう。
コンパスオフィスは、1 名用オフィスから 50 名以上の法人向けオフィスまで、東京のアクセスの良い 3ヵ所で提供しています。フレキシブルオフィススペースからカスタマイズされたワークスペース、企業向けソリューションなど、さまざまなレンタルオフィスの選択肢を用意しています。
最適な環境は組織によって同じとは限りません。企業の価値や競争力を高めるためにぴったりのオフィス環境をお探しの方は、ぜひコンパスオフィスにご相談ください。お電話またはお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。